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2021年6月1日火曜日

【論文】「薬学部の専門科目におけるオンライン留学プログラムの開発-コロナ禍における代替案ではなく,最善策の実現にむけて-」

 論文「薬学部の専門科目におけるオンライン留学プログラムの開発-コロナ禍における代替案ではなく,最善策の実現にむけて-」が「コンピュータ&エデュケーション」より出版されました。

抄録

世界的に新型コロナウィルスの感染が拡大する状況下において,オンライン留学プログラムの開発は急務である。本稿の目的は,立命館大学薬学部が2021年2月に実施したカナダのトロント小児病院とのオンライン留学プログラムの概要を報告し,「留学体験」という観点で今後のオンライン留学プログラム開発に向けて成果と改善点を抽出することである。参加学生への事後アンケートの結果から,トロント小児病院の講義だけでなく,立命館大学側で提供したセッションが学生にとって有益であり,留学先の講義の理解や異文化理解を深めたことがわかった。また,Slackのワークスペースが連絡手段としてだけでなく,学生同士をつなぎ,引率教員から必要なサポートを即座に提供できるバーチャルな空間として機能したことがわかった。このように,留学プログラムを授業のオンライン受講ではなく「留学体験」とするためには,留学先が提供する授業以外の点でも工夫が必要となる。今後,オンライン留学プログラムを開発するにあたり,セッションの提供元を留学渡航先や学生の所属大学に限定せず,よりグローバルな視点からプログラムを創り上げることが,時宜にかないつつも代替案ではない最善のオンラインプログラムに繋がると考えられる。

近藤 雪絵, 角本 幹夫, 服部 尚樹