1日目
トロント小児病院(SickKids)での留学プログラムが始まりました。まず最初に、薬剤師も医師も白衣を着用していないことに学生は驚いていました。
今年は初日から症例のプレゼンテーションがあったのですが、前日の宿での特訓が実を結びうまく伝えられたようです。
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B&Bで症例についてディスカッション |
2日目
AboutKidsHealthという、小児患者(やその保護者)が病気・薬・健康について学習することのできるサイトを教えていただきました。沢山の絵を用いて簡単な英語で説明されているので、英語学習者の教材としても使えますね。
学生の声より
"薬剤師は、医師に処方提案する際は、手短に、詳しく(なぜその処方が良いのか)述べるようにしている。そうすることで、医師の負担を軽減することにもなる。このように信頼関係ができるのは、医師と薬剤師がface-to-faceで相談し合ってきたからだ。薬剤師も医師に対してassertivenessな姿勢が必要。"
薬剤師さんの言葉
'Pharmacists’ "assertiveness and confidence" are important for success.'
3日目
トロント大学薬学部の授業に参加させていただきました。RCT(Randomized Controlled Trial)に関する講義です。大講義でも学生がどんどん発言していきます。
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Podと呼ばれる宇宙船のような講義室 |
授業の後は学生がキャンパスツアーをしてくれました。大雪でしたが、学生はこのときが一番楽しそうな表情をしていました。いい写真が取れましたので、トロント大の学生にも許可をいただき、TCTPのウェブサイトにも採用しています。
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トロント大学キャンパスツアー |
4日目
午前中はSickKidsでのClinical Shadowingでした。Shadowingと聴くと英語の勉強方を思い浮かべますが、ここでは業務中の薬剤師の側について業務を近くで観察し、体験することを指します。
学生の声より
"回診では親や患者本人からの聞き取りに加えて、今後の治療方針や(親・患者の)疑問点の解決などを話し合っており、日本よりも患者が多く発言してたように感じた。"
"Dr(レジデントや学生も含める)やDietician、Phを含めるチームでの病棟回診に同行した。Drがチームリーダーとなっていた。ベッド前で、小児患者やその親に対して皆が自己紹介をした後、体調確認をして、DrやDieticianが現在の症状の確認を医療者、患者に対して説明する。主に患者や親に対しての質問に対して詳しく答えるという形であった。また子供もしっかりと質問をするなど、自分の病気に対して積極的に治していこうとする様子であった。日本では、病院に行っても医者とのやりとりも必要なことを患者が聞いて、簡単に済ませているように思われたが、今回の回診では、患者とスタッフの議論、スタッフ同士の議論が印象的であった。薬剤師もチームの一員として他のスタッフからすぐ質問されていたり、よくコミュニケーションをとっているようだった。"
午後はSickKids薬剤部でMedicine Reconciliation(Med Rec)の講義でした。 Medicine(薬、医学)、Reconcile(和解・一致する)という各単語の意味を知っていても、2つが組み合わさった時の意味、薬物治療における意味を理解するのは難しいです。
Med Recは治療開始の際、これまでの薬物治療(名前、量、頻度、期間、入手経路等)について患者から聞き出したことをリスト化し、考えうる薬物治療と比較検討することであり、今後最適な薬物治療を行う出発点であると、素人の私は理解しました。
5日目
SickKids臨床薬理学部でIntegrating Pharmacogenomics into Clinical Careの授業でした。“Pharmacogenetics will be taken over by pharmacists in the future. ”という言葉から始まりました。
カナダでは3月はPharmacy Awareness Month (PAM) なのだそうです。ランチタイムにはトロント大学薬学部でPhamburgerというキックオフイベントが開かれました。
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Phamburger at UofT |